文章教育コラム

小論文では、難しい言葉ばかりを使わない

 小論文で「論理的」とは、誰もが理解できるかたちで自分の主張を示すことと理解してほしい。そのためには空虚な、難しい言葉を羅列するよりも、具体例を書くほうがよい。

小論文では、難しい言葉ばかりを使わない

具体例が説得力を増す

たとえば「スマホ代を全額負担してほしい」と親に頼みたいときだ。どうしても親に全額負担をお願いしたい場合には、どのように説得するだろう。

「今のままではやっていけないから全額負担してほしい」と言うだけでは説得力がない。「課金アプリは遊びや趣味のものだけでなく、受験勉強用のものもある。それらを小遣いで賄っていると、コンビニでの些細な買い物もできなくなり日常生活に支障が出てしまう」などのように、具体例を挙げながら、なんとか親に全額負担してもらうための理屈を考えるはずだ。

難しい言葉を使っても、ハイレベルな小論文にはならない

小論文を書くときも同じだ。ある問題について、なぜ自分は賛成と考えるのか、または、反対と考えるのかを主張するとき、具体例があるのとないのとでは説得力が大きく違う。

小論文は論理で説得する文章である。文章を論理的にするためには、難しい言葉を使えばいいと思っている受験生は多い。しかし、そんなことはない。難しい言葉は、往々にしてあいまいで抽象的な言葉になり、個性的な意見にはなりにくい。「理性的な見地からの考察が必要」とか、「戦略的思考を持たなければ、国際社会から孤立してしまう」といった類の言葉だ。こんな言葉を羅列したところで、論理は空回りするだけで説得力のある小論文にすることはできない。

抽象的にまとめた主張を具体例で補う

「競争社会」について、反対の立場で書く場合に、「貧富の拡大をもたらし、社会を不安定にするからだ」という根拠を示すとする。そのときに、「競争社会の影響もあって、アメリカではごく少数の人が巨万の富を築いている」「競争社会は、常に緊張を強いる社会であり、その影響により、人々の心身に多大なストレスをもたらす」などの具体例を加えることで、示した根拠の説得力はグンとアップする。

逆に抽象的で、難しい言葉を多用しすぎると、論理が空回りする恐れがある。特に難関大学の小論文問題を解答する際には、この点に十分気をつけたい。

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