慶応文の小論文は「読解力」がカギとなる
慶応大学文学部の小論文は、とにかく課題文が難しい。書く字数は決して多くないが、書くのに苦労する受験生は多いだろう。設問は二つ。設問Ⅰは要約や説明を求める問題。ここで課題文を読み取れたかどうかを試される。設問Ⅱは意見を問う問題。320字~400字と短い字数なので、あまり深いことは書けない場合が多い。設問Ⅱでも、課題文の主旨からぶれずに意見をまとめることが大切になる。つまり、設問Ⅰだけでなく設問Ⅱでも「ブレのない読解」をできるかどうかが勝負の分かれ目になるのだ。
慶応文学部の入試問題のような難解な評論をしっかり読み取るにはどんな対策をとるとよいのだろうか。
読み取りのコツを意識して文章に接する
白藍塾では、受講生に小論文の課題文を読み取るコツとして次の3つを指導している。
1.課題文を4部構成に改めてみる
小論文を書く際の基本構成である4部構成は、課題文を読み取るときに応用できる。評論であるならば、厳密でなくても4部構成になっている場合が多い。どこからどこまでが各部に相当するのかがわかれば、筆者の言いたいこともつかみやすくなるだろう。
2.キーワードを探す
課題文には、必ずキーワードがある。文章のテーマや主張を要約したような言葉だ。キーワードを探り当て、その意味を正確に捉えることができれば、その文章のテーマも捉えやすくなるはずだ。
3.何に反対しているのかを考える
文章を書くということは、何かを主張するということだ。そして、何かを主張しているということは、何かに反対しているということだ。つまり、筆者は必ず何かに反対しているのだ。課題文が何に反対しているかがわかれば、その文章が何を言いたいのかもわかりやすくなる。
小論文の課題を読む時だけでなく、新書などの本を読む時や国語の問題に取り組む時にも上記の「3つのコツ」を意識すると、読解力は確実につく。難しい課題文を読めるようになるだろう。ついでに言うと、白藍塾受講生から「読み取りのコツを意識することで国語の偏差値が上がった」という声も多い。
課題文を読む前にやっておきたいこと
読み取りの3つのコツとともに、課題文を読む前にやってほしい2つのことも覚えておこう。慶応文学部の小論文など、長く、難しい課題文を読み解く場合に、特に有効なはずだ。
1.設問、出典を確認する
設問には、課題文から何を読み取ってほしいのかが書いてあるのだから、それを予め頭に入れて読むと主張も読み取りやすくなる。出典は、たいてい課題文の終わりに紹介されている。タイトルは内容全体の要約である場合が多いので、タイトルから課題文の主張を予想することもできる。筆者名も大きなヒントになる場合がある。以前に読んだ本の著者であった場合には、以前に読んだ本のテーマが課題文のテーマを考えるヒントになるかもしれない。
2.設問の中のキーワードの意味を考える
課題文を読む前に、設問の中にキーワードがあったら、それが何を指すのかを考えてみよう。そのうえで、課題文を読もう。読む前に捉えたキーワードの意味があっているのか間違っているのかを考えながら読むことで課題文のテーマは見えやすくなるだろう。
知識を増やそう
読解力を高めるにはやはり知識を増やすことも重要だ。白藍塾では、小論文を書くための知識ネタ集や推薦図書を紙上講義というかたちで受講生に紹介している。力を伸ばす受講生は紙上講義を繰り返し読むことで知識を増やしている。市販参考書にも知識ネタを紹介したものがある。慶応文学部を目指すなら、『読むだけ小論文 法・政治・経済・人文・情報系編 パワーアップ版』 (Gakken)と『小論文これだけ!人文・文化・思想・芸術・歴史 深掘り編』(東洋経済新報社)を特にすすめたい。
本もたくさん読もう。基本的に興味あるテーマの本を読むので良いが、慶応文学部を目指すなら、思想系の新書を何冊か読んでおくとよい。また、過去問題の出典で関心を持った本があったならぜひ読んでみよう。同じ筆者の別の本を読んでみるのもよいだろう。