小論文試験本番中に起こりうる
ピンチの切り抜け方
問題文を読んで、構想をメモにまとめ、「よし!」と思ったら解答用紙に文章を書き出す。小論文試験の解答はそのように行われる。ところが、書いている途中でアレコレと迷いが生じたりすることもある。そういったときに、即座に消しゴムを使うのは控えたほうがよい。消してはみたものの、時間内に書き終わらなかったらアウトだ。こういった小論文試験本番中に起こりうるピンチの切り抜け方を紹介する。
「書いている途中でいいアイデアが浮かび、書き直そうかどうかと迷い出す…」
もちろん書き出す前の「メモづくり」がしっかり行われていれば、こういった心配は少なくて済むはずだ。しかしそれでも不安になったり、疑問を持ったりすることはあるだろう。
結論からいうと「一度書き始めたら、書き直しはせず、最初の考え通りに書き進める」のが大原則だ。もし例外があるとしたら、それはよほどいい考えが浮かんだときに限られる。しかも、まだ時間がたっぷり残っていて、メモ、構成を練り直す時間も十分あるという条件つきの場合のみだ。
しかし、たいていの場合は、途中で起こった不安に負けて書き直すより、最初の考えを押し通したほうが、はるかにいい小論文となることが圧倒的に多い。えてして、書き直しを始めてはみたものの「やはり最初のほうがよかったのでは」と、また不安が付きまとうものだからだ。
だから途中で「しまった!」と思っても、あわてて消しゴムを使おうとせず、まずは落ち着いて書いた部分を読み直してみる。そのうえで、これから書こうとしている部分で挽回できないかを考えてみる。多くの場合、「展開」の具体例を練り直すことで切り抜けられるものだ。それ以上の色気は、かえって悪い結果につながりかねない。
「文章も終わりに近づいた頃、このままでは指定字数に満たないことに気がついた…」
「○○字以内」という場合、8割を埋めれば、字数による減点はまずとられない。8割以下だと減点の対象になる場合がある。半分以下は0点と思っていいだろう。
「学校の先生に、『最後の行まで必ず書くように』と指導されたが……」と質問をしてくる受講生がたまにいる。しかしこれはまったくナンセンスな話だ。最後の行までびっしり埋めれば得点アップするなんてことはあり得ない。無理に引きのばし、そのために意味不明なことや、書かなくていい内容を書いているものをよく目にする。採点する側から見れば、字数稼ぎをしているのは一目瞭然だ。せっかくいい文章を書いているのに、最後の行まで埋めようとがんばったばかりに、全体の構成をぶちこわしてしまっては目も当てられない。それこそ減点の対象とされてしまう。
指定内の8割、1000字だったら800字を超えればよい。字数が8割に足りそうもない場合は、「展開」で用いた具体例を少し長めにするか、具体例をもうひとつ持ってくるとよいだろう。しかしその場合には、全体の論旨と矛盾しないように十分に気をつける必要がある。
一心不乱に書き進め、書き終わってから、途中に文章を書き足すために、書いたものまで消して直すようでは、時間的プレッシャーにおそわれる危険がある。そうならないためには、「展開」を書く前に一呼吸おき、「このまま書き進めて字数は足りるのか」を、チェックする習慣をつけておくといいだろう。
「最後の見直しで、訂正したい箇所が見つかった。しかし、残り時間はあとわずか…」
基本的に小論文の見直しは、誤字、脱字のチェックのみにしておいたほうがいいだろう。つまり、「内容の見直しはしない」ことだ。消して直している間に時間切れになったのでは元も子もない。また、もっとも怖いのは、内容を訂正したために全体の論旨が崩れてしまうことだ。
「少しでも得点アップにつながるように、鋭いフレーズを盛り込みたい……」
そんな気持ちもわからなくはないが、論旨が通っていることを第一に考え、我慢が必要な場合もある。
どうしても直さざるを得ない時は、消しゴムを使う前に、どこか一行をいじくってどうにかならないかを、まず考えてほしい。そうすれば、無駄にたくさんの文字を消さずに済む。
また、本当に時間ギリギリで、誤字、脱字に気がついたが、消しゴムを使って直す間もない場合は、訂正記号を使って直そう。しかし、これも2箇所ぐらいを限度と心しておこう。