文章教育コラム

模範解答にご用心

 小論文模試の結果を見て、一喜一憂している人もいるかもしれない。大手予備校や出版社などが行う模試は、受験に慣れたり、自分の今いる位置を知ったりするのには貴重な存在だ。
 だが、その結果に一喜一憂する必要はない。模試のように大量の受験生が書いた小論文に、採点者はきめ細かい添削や講評を行わない。問題を作ったわけでもないアルバイト要員が、マニュアルに基づいて、機械的に採点していることも多いのだ。参考になるのは、せいぜい誤字・脱字の指摘だけという場合もある。
 課題文を知識ネタとして参考にするのは大いに結構だが、それ以外では、「解説」や「模範解答」も、使い方次第で役立てられる場合もある。

模範解答にご用心

小論文模試は返却後が大事

模試の解説や模範解答にも、かなりレベルの低いものもあるが、それでも、当然、合格レベルの文章にはなっている。その合格レベルの解答と自分の小論文を比べて読むことで、自分の小論文のアラを見つけやすい。解説を読んで、模範解答と自分の答案と、どこが違うかを見比べる。試験時間中に書いているときはおもしろいと思ったアイデアが、返却後に落ち着いて読み返してみると、とるに足らないものに見えてきたり、課題文のテーマのとらえ方がまずかったことに気づいたりするはずだ。そのようにして、自分の書いた小論文を反省することこそ、模試を受ける真の意義といえよう。

難しそうに書いてある模範解答をお手本にしてはいけない

ただし、模試の模範解答を見て、これと同じような小論文を目指そうと思うのはやめたほうがいい。たいてい小論文模試の模範解答は、受験生が書くものとしては非常にレベルが高い。これが書けないと合格できないと思うとあせってしまうし、へたに背伸びをして、わかりにくい小論文を目指すはめにもなりかねない。

模試の模範解答と同様に、赤本や問題集、予備校のテキストなどに掲載されている模範解答にも注意が必要だ。受験生が書けるような文章になっていない場合が多い。多くは大学院生や予備校講師、時には大学講師がアルバイトで書いたもので、自分の能力を見せようとして専門的なことを書いているものも見受けられる。「これは手に負えないな」と感じた模範解答に遭遇した場合には、無理をして模範にしないことだ。その場合には、あくまで知識ネタを得るための参考資料と思うほうが得策だろう。

加えて言うと、自分で生成AIを用いて模範解答を作った場合も、扱いには慎重になるほうがよい。周到に指示を出さないと、学術用語などがたっぷり盛られた難しい模範解答を提示される場合が多いようだ。こちらも参考資料ととらえてまるまる鵜呑みしないほうが無難だ。

模範解答の活用の仕方

模範解答はあくまで参考程度と考えて、自分なりのレベルアップを目指すことだ。同じことは、通信添削での勉強にも言える。小論文の通信添削を始めるときは、できるだけ解説や質問への回答がていねいなところを選ぶようにしたい。

白藍塾大学受験ゼミの模範解答はどんなにハイレベルの課題であろうとも、受験生が理解できるレベルの文章で書かれている。模範解答以上の分量を用いてていねいな解説を載せている。白藍塾の模範解答・解説を読めば、受験生はどのレベルを目指せばよいのかをつかむことができるはずだ。添削コメントとあわせて読むことで理解は一層深まるだろう。読むだけでも書き方のコツを学べ、知識の補充にも役立ちこと間違いなしだ。

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