高い評価を得るのは、構成力のある文章

小論文にしても志望理由書にしても「文章が上手であれば高得点がとれる」と思っている受験生は結構多い。受験生のみならず学校の先生や塾の講師などでも同じように考えている人は少なくない。しかし、実際はそうではない。文章がいくら上手でも高得点をとることはできない。
文章は構成が大事
おもしろい小説やテレビドラマに「起承転結」などの基本構成があるように、小論文や志望理由書にも基本と言える構成がある。これを押さえて書かないと、小論文も志望理由書も、論理的で説得力のある文章にはなりにくい。
実際、高評価を得る小論文や志望理由書は、本人が意識しているいないにかかわらず、構成のしっかりしたものになっている。特に800字や1000字といった短い字数で書く文章では、内容も凝縮されていて、余計なことを書く余裕がない。おかしな構成にすると、制限字数内で論理的で説得力のある内容にすることは難しくなる。逆に言えば、構成さえしっかりしていれば、少々文章が拙くても、内容がありふれたものでも、高評価を得ることができるのだ。
構成力のある文章は読みやすい
では構成力のある小論文や志望理由書を書くにはどうすればいいのか。基本の型をマスターし、型にしたがって書いていけば、論理的で説得力のある文章にまとまり、読み手に伝わりやすい。小論文の基本の型は、「問題提起・意見提示・展開・結論」の四部構成だが、思いついたアイデアをこれらのどの部分に使うか、振り分けていくことで、アイデアもまとまりやすくなる。論理的な手順を踏まずに思いついたアイデアを並べるだけでは、読み手に伝わらず、説得力もないだろう。
小論文にしても志望理由書にしても、入試の審査官は何十枚、何百枚の文章答案に目を通す。支離滅裂な、まとまりのない文章を読むのは辛い。そして不幸にも、そういった答案は山のようにあるのだ。その中で、構成のしっかりした読みやすい文章があれば、やはり良い点をつけたくなる。もちろん構成だけで全ての判定が決まるわけでなく、内容が大切であるのだが、文章試験の第一関門は「構成」であると言ってよいだろう。
白藍塾では構成の指導を重視している。小論文、作文、志望理由書のどの文章を指導するにも、まずは基本の型の指導から入る。詳しくは、ホームページの「白藍塾の文章教育」の「教える文章の書き方」をお読みいただきたい。
型にしたがって書けば、試験で得することも多い
小論文の基本の型を理解していると、実際の試験で得することも多い。
大学入試の小論文は、制限時間内に書き上げなくてはいけない。いくら良いアイデアを持っていても、それを答案に書かなければ評価はされない。小論文試験でよくある失敗が、下書きで多くの時間を使ってしまい、慌てて仕上げにかかり、結局まとまりの悪いものを提出してしまうパターンだ。基本の型を理解していれば、下書きは不要だ。論理的な説明の順序をわかっているのだから、あとはアイデアを考えればよい。アイデアをメモする作業にたっぷりと時間を使えるので、説得力のある内容に仕上げられる。
また、大学入試の小論文は、たいてい字数制限がある。800字以内、800~1000字といったように。800字以内にまとめるつもりだったが、字数がオーバーしてしまう場合もある。また、逆に800字の8割にも満たない場合もある。こういったピンチを防ぐには、基本の型を理解し、各部をどのくらいの長さでまとめるとよいかを頭に置きながら答案を仕上げればよい。